土木建築業を経営しているK社長から事業承継、自社株移転のご相談がありました。
K社長で3代目。おじい様が創業され、お父様の代ではご兄弟と共に経営を担われ、株も親族に分散している状態でした。
自社で働いていない姉や従兄弟、叔母なども数百万円分の株を所有しており、今後の事を考え、計画的に株の移転をしたいとのご希望でした。
早速、自社株の概算評価を行いました。前期の売上が4億円を下回っていたため、中会社の中に分類され、類似業種比準価額の割合が75%で計算されます。
売上が4億円を超えてくると、中会社の大に分類され、類似業種比準価額の割合が90%になり、株価が下がることが想定されます。
幸い今期は4億を上回る予想でしたので、決算後に株の移転を行う計画を立てました。
K社長としては、いずれは自分に株を集中させた方が良いというお考えですが、買い取る(譲渡)にしても、貰う(贈与)にしても金額が大きいため、買い取り資金や贈与税の納税資金など、まとまったキャッシュが必要になります。
そこで、第一段階ではお父様、叔父様世代の株を自社で働いている子世代に効率的に移すことにしました。ある程度の株が移転出来たら、第二段階として、K社長に株を集中させる計画です。
贈与で自社株を渡した場合、相続税の計算上はお亡くなりになった日から7年以内に行われた贈与は、贈与が無かったものとして、相続財産に加え相続税を計算する、いわゆる7年持ち戻しの対象になります。お父様、叔父様世代は80代なので、あまり時間的余裕はありません。
そこで、相続時精算課税制度をご紹介しました。2024年(令和6年)1月に制度が変更になり、この制度を選択した場合、年間110万円までの基礎控除が適用出来、持ち戻しも対象外になります。
会社でお世話になっている税理士さんには、数年に一度自社株の評価をお願いしていましたが、この制度のご紹介は無かったようで、お父様も叔父様も「初めて聞いた」とのことでした。
今後、税理士さんと詳細を詰め、メリット、デメリットを精査し円満な事業承継をしていくことになりました。
